ライフジャケットを着る理由

クスノキコータです。
日本国内でシーカヤックで遊ぶとき、事業者とお客さん、そして週末カヤッカーまで、「必ず」と言っていいほどライフジャケット(PFD:パーソナルフローティングデバイスとも呼ぶ)を着用しています。 これはこのレジャーが日本に入ってきてから今まで多くの先人たちが安全のために啓蒙してきた功績です。僕が使用しているのは、このタイプです。どうですか?ちょっとゴツいですか?

「ライフジャケットを着てると、どうなるの?」

水中では人間の体は、空気を吸うと体の2%が浮くようにできているそうです。身体の2%しか水面にでないのです。あなたの体重はどのくらいであるかは、さておき。人間の頭部(中身のスペックは関係なく)は約5~6キロあるそうです。少なくとも頭部を水面から出しておくには、ただ浮いているだけでは浮力が足りないのです。

そんなわけで、シーカヤックで遊ぶとき、浮力が約6~7㎏fあるものを使っている事が多いです。一般的にはベストタイプのPFDを使っています。それなりのボリュームがあります。
キチッと着用すれば水面から頭部が出ている状態をキープできるので、溺水の確率がグンと下がります。

「なんでサーフィンでは着用しないの?」

カヤック以外にも、ヨット・ウィンドサーフィン・ジェットスキーなどのマリンスポーツはライフジャケットの着用は当たり前になっています。
でも、ほとんどのサーファーは、ライフジャケット着用していません。なぜでしょうか?
ロングでもショートボードでもビーチからエントリーするサーファーは、ブレイクする波の向こう側に出るとき、ドルフィンスルー(ダックダイブ)など水中に潜り、波の下をくぐってやり過ごす方法をとります。ライフジャケットを着用していては潜れません。

またサーフィンで遊ぶポイントは、ビーチから近いことがほとんどです。ヨット・ウィンドサーフィンのようにビーチから遠く離れることはありません。充分泳いで帰ることが可能なエリアでの遊びなのです。
マウイのジョーズなど、手でのパドリングでは乗れないような巨大な波に挑む場合など、トーインサーフィンといって水上バイクに引っ張ってもらうときには、ちゃんとライフジャケットを着用しているそうです。

「SUPはどうなの?」

SUP(スタンドアップパドル)の遊び方は川から海でのサーフィン、クルージング、釣りまで、多様です。海でのSUPサーフィンの場合、ショートボードやロングボードと違いSUPボードは立てるほどの浮力が有るためドルフィンスルー(ダックダイブ)は出来ません。
クルージングやレースの場合は、ビーチから数キロ離れることは普通です。岸から遠く離れるならライフジャケットは着用したほうがいいと言えます。
「ボードに浮力があるから平気?」とゆう意見もありますが、リーシュはウレタン素材にしてもバンジー素材にしても切れます。「消耗品」です。やはりライフジャケットを着用したほうが安心です。

とは言え、SUPも「遊び」ですから、ファッションも大事な要素。シーカヤックのような7㎏fのごついライフジャケットの着用は、なかなか業界的にも浸透しないのが現状です。 ※リバーSUPの業界では、カヤックと同じ 7㎏f 相当のライフジャケットの着用が浸透しているようです。

様々なライフジャケット

膨張式のライフジャケットもあります。ガスボンベで膨らますタイプです。サスペンダータイプやベルトタイプのものがあります。釣り人がよく着用しています。
ぼくも最近、SUPの時はベルトタイプを着用して使い勝手を検証してます。

もう少し、スマートなシルエットの「インパクトベスト」を着用するひとも増えています。水上バイクやウインドサーフィンなとスピードが出るレジャーで使われることが多く、高速で水面に叩きつけられたときに衝撃から体を守るベストです。

しかし、ライフジャケット・PFD(パーソナルフローティングデバイス)とは一線を画すのは、浮力が3.5㎏f前後しかないからでしょうか。

海上自衛隊が採用しているのは、こんなライフジャケット。10kgf以上の浮力と防弾を兼ね揃えた強固な海の鎧ですね。

ライフジャケットを着る理由

国土交通省では関係法令を改正し、平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用を義務化しました。捜索の際に視認性の高い黄色やオレンジ色に限られ、探照灯の照射を受けて反射する再帰反射素材を一定の面積で貼付、また確実に周囲へ救助を要請出来るよう、水濡れに強い単管タイプのホイッスル装備も義務付けられています。アメリカでも連邦規則で定められています。オーストラリアでは州によっては条例で罰金が科されることもあるらしいです。

しかし、
法律で定めてるからとか、法の規制外だから着用しなくていいとか、業界や世間の目が厳しいとか、そんな理由でライフジャケットを着用しているわけではありません。

海は、人を癒しもするが、命も奪うところです。

ぼくは、自分の命のために、ライフジャケットを着用しています。
ツアーに参加するゲストには安全管理を考えてライフジャケット着用をお願いしています。

ブログをお読みの皆さんも、ご自身そしてご家族が安全に海で遊ぶために、ライフジャケットの着用を考えてみてください。

10㎏fのライフジャケットを着れば死なない、などとゆうことはありません。
ライフジャケットを着なかったから死ぬ、などとゆうことではありません。
(その他に安全管理の要素はたくさんあります。)
でも、各レジャーの業界の推奨するライフジャケットの着用は、先人たちの経験や知識から導き出した安全のためのスタンダードです。充分参考になると思います。

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