瀬戸内海を渉る(十八次 瀬戸内カヤック横断隊 備忘録)その2 

二日目 倉橋島(亀ヶ首)


5:30に起床、外はまだ闇だが、ゴソゴソと音がしてテント越しにランプの明かりが動いている。他の隊士達はもう動き始めている。
もぞもぞと寝袋から這い出し、昨日晩飯に作った「雑炊のようなもの(中華風)」を温めなおす。起きて一番に朝めし・・・体はどこも痛くないしよく眠れたが、食が進まない。お昼用にスープジャー満タンに入れたが、まだかなり余る。仕方なく胃袋に押し込む。
少し湿ったカヤックウェアに着替えて、寝袋をしまい、テントをたたみ・・・カヤックに荷物をしまいかけて気が付く。大潮の干潮に向かって、かなり水位が下がっている。夜中の満潮よりも高い位置まだカヤックをあげていたので、波打ち際まで遠いのだ。こんなところでパッキングしたら、重くて動かすのが大変なのである。まず波打ち際にカヤックを移動させてから、積み込むのがセオリーである。
案外、準備に時間が掛かる。明日はもっと早く起きよう。


6:30 ミーティング。リーダーは紅一点ハナちゃんこと花井隊士。この横断隊の集合地点まで、ソロで何日もキャンプしながら漕いできたヘンタ・・凄いカヤッカーである。昨晩も今朝も「村上水軍商会」の村上副隊長にアドバイスを受けながら、行動計画を練ってた。勉強熱心である。


女性リーダーの号令で個人的にホッコリして出発。薄曇りだが、風も穏やかで温かい。


目標の大三島に向かって皆を引っ張るリーダーの脇には、最年少の隊士「カイセー」が全身を使って力強いパドリングで前進する。原隊長の長男で若干12歳!カヤック以外にもテントを張り、焚火の起こし、流木の枝を使いウェアを乾かす。すでに立派なアウトドアマンでシーカヤッカーである。コイツきっと女の子にモテモテのはずだ。(≧▽≦)
この凄い少年に、ベテラン隊士達は「将来の横断隊隊長だ~、決定だ!!」と目を輝かせているが。
まあ、瀬戸内カヤック横断隊はオジサンになってからでも出来るので、若いうちは、外洋船の船長でも、IT社長でも、美容師でもミュージシャンでも無限の可能性に向かって大いに羽ばたいてほしいものである。(笑)

「ハナちゃ~ん、急がんでええけ、もっと後ろの様子も視て行こうや~」と、尾道「deep water」の森ダイスケ隊士からアドバイス。若い隊士や新参者にとって頼れるアニキ的存在感だ。彼もまた女性にモテそうである。(≧▽≦)

初日の疲労が残る者、腰が痛い者、まだペースがつかめない者・・・誰一人、オイテケボリにすることなく横断隊は海の渡ってゆく。

お昼休憩は、広島県呉市「県民の浜」広くて砂の色が明るくて気持ちのいい浜です。
朝、スープジャーに容れた「雑炊のようなもの」は、まだ温かったが、なんともベチャベチャの炒飯にような状態で、味もイマイチだったが、残さず食べた。(^_^;) 次は、和風のダシで味付けしてみよう。

午後のミーティング後、シートの後ろにハードタイプの防水ケースを無理くりねじ込んだ拍子に缶ビールに穴を開けてしまった!(わざとじゃないよ。)穴から噴き出す泡!もったいないので口で受け止めた。もう出発するので、(もったいないので)開けて飲み干した。う、美味い!!(≧▽≦)


じつはこの翌日も同じ状況で、缶に穴か開いてしまい(しかたなく)昼間から飲み干した。うう、美味い!!
どうやら、原因は初日の夜に呑んだ空き缶を適当に潰したときに出来た「角」で、他のビールに穴を開けてしまいたようだ。

その後、夜の焚火タイムに、マーさんやダイスケさんが綺麗に空き缶を潰す所作を視て、これはキャンプツーリングに必要な技術なのだと知りました。

横断隊から帰宅してからも、毎日ノルマを決めて練習しています。



ダイスケさん、マーさん、ムラカミ副隊長から、追い潮・向かい潮の読み取り方を聞いた。島や浮標の傾きなど定点を観察の仕方、時にはパドルの重さで流れる感じとることもある。普段以上に掌で感じる水の重みを意識しながら漕ぎ進んだ。なるほどなるほど。


午後の逆潮の中でもリーダーハナちゃんの前へ前へとゆう気概が伝わってくる。しかし、翌日の最大難所、しまなみ海道の「船折瀬戸」の潮汐時間と到達時間を見据える原隊長、村上副隊長、ベテランメンバーの判断で、無理せず岡村島の乗越海岸でちょっと早めの着艇となった。

「丘を越えて、一キロくらい歩くと港があって、商店もあるよ。」そう聞いて、日没まで少し時間もあるのでイノウエさんとクニーさんと散歩に出かけた。標識の「今治」の文字をみて、ここが愛媛県であることに気づく。

さんぽから戻ると、ツカケンさんが愛犬グーちゃん(二代目)と、陸路でビールや饅頭を差し入れてくれた。甘いものが欲しかったの。ありがとうございます。(≧▽≦)

夜になっても暖かく、とても過ごしやすい快適な夜になりました。

二日目 倉橋島亀ヶ首~岡村島 31.1㎞


※specialThanks 今回もまたマーさんの画像を使わせてもらいました。ありがとう。


瀬戸内海を渉る(十八次 瀬戸内カヤック横断隊 備忘録)その3 へと続く。



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